奇冤報 4
2007年 06月 15日
奇冤報 1 から
鉢を持って裁判所へやって来た張別古は包公の前へ通される。
「ご老人、氏名、住所を申しなさい。
何が無罪なのか申してみよ」
「はい、申し上げます、旦那様。
わたしの名は張別古。草履職人をしております。
先頃、趙大という窯職人に草履を作ってやったら
未だにお金を払ってくれません。
そしたら奴め、わたしにこの鉢を代わりによこしました。
仕方なく家へ帰る途中、なんと、この鉢がしゃべり出したのです」
包公も鉢に呼びかけるが返事がない。
何度呼んでも返事がないので張は追い出されてしまう。
外に出されてしまった張は「どうして返事をしない」と怒る。
劉が言うには、
「裁判所の中はお札が貼ってあってそれが怖くて入れない。
それを燃やしてくれたら入ることが出来るかもしれない」、と。
中国京劇院 寇春華 飾 趙別古
張はもう一度包公の前に行き、劉の言うことを伝えた。
役人がお札を焼いたので又包公が「鳥盆」と呼びかけた。
しかし今度も又返事がない。
とうとう張は罰としてこん棒で5回尻を叩かれ、追い出されてしまった。
「どうして返事をしないんだ。
お前のせいでお尻を5回も叩かれてしまったよ」
劉はこう言った。
「私が死ぬ時趙大夫妻は私の体を血だらけにした。
この身をどうして包公の前にさらすことができようか。
どうか青い着物を貰い、それを私に掛けておくれ」
しかし張は「そんな話は信じない」と、突っぱねる。
劉は「頭痛をお見舞いしてやる」と言う。
「どうすればいいんだ。
行かなければお前さんに頭を締め付けられ、行けば尻を叩かれる始末。
どっちも痛い」
乗りかかった船、仕方なく張は又包公のいる裁判所へと入って行く。
「又来たのか。又この公堂を騒がしに来たのか」
張は劉が言ったことを包公に話して聞かせ、青い着物をくれと言った。
包公は着物を持ってこさせ、張に渡した。
張はそれを鉢に掛けた。
包公が鉢に呼びかけると、今度こそ劉は返事をした。
「それ、見たことか」と張は包公の机に飛びのった。
包公は張に褒美として銀5銭を与える。
劉の訴えを聞いた包公は趙大夫妻を捕らえることを約束した。
鉢は国庫に大切に収められた。
鉢を持って裁判所へやって来た張別古は包公の前へ通される。
「ご老人、氏名、住所を申しなさい。
何が無罪なのか申してみよ」
「はい、申し上げます、旦那様。
わたしの名は張別古。草履職人をしております。
先頃、趙大という窯職人に草履を作ってやったら
未だにお金を払ってくれません。
そしたら奴め、わたしにこの鉢を代わりによこしました。
仕方なく家へ帰る途中、なんと、この鉢がしゃべり出したのです」
包公も鉢に呼びかけるが返事がない。
何度呼んでも返事がないので張は追い出されてしまう。
外に出されてしまった張は「どうして返事をしない」と怒る。
劉が言うには、
「裁判所の中はお札が貼ってあってそれが怖くて入れない。
それを燃やしてくれたら入ることが出来るかもしれない」、と。
中国京劇院 寇春華 飾 趙別古
張はもう一度包公の前に行き、劉の言うことを伝えた。
役人がお札を焼いたので又包公が「鳥盆」と呼びかけた。
しかし今度も又返事がない。
とうとう張は罰としてこん棒で5回尻を叩かれ、追い出されてしまった。
「どうして返事をしないんだ。
お前のせいでお尻を5回も叩かれてしまったよ」
劉はこう言った。
「私が死ぬ時趙大夫妻は私の体を血だらけにした。
この身をどうして包公の前にさらすことができようか。
どうか青い着物を貰い、それを私に掛けておくれ」
しかし張は「そんな話は信じない」と、突っぱねる。
劉は「頭痛をお見舞いしてやる」と言う。
「どうすればいいんだ。
行かなければお前さんに頭を締め付けられ、行けば尻を叩かれる始末。
どっちも痛い」
乗りかかった船、仕方なく張は又包公のいる裁判所へと入って行く。
「又来たのか。又この公堂を騒がしに来たのか」
張は劉が言ったことを包公に話して聞かせ、青い着物をくれと言った。
包公は着物を持ってこさせ、張に渡した。
張はそれを鉢に掛けた。
包公が鉢に呼びかけると、今度こそ劉は返事をした。
「それ、見たことか」と張は包公の机に飛びのった。
包公は張に褒美として銀5銭を与える。
劉の訴えを聞いた包公は趙大夫妻を捕らえることを約束した。
鉢は国庫に大切に収められた。
by xiao-mei
| 2007-06-15 23:13
| 好戯 奇冤報