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四郎探母 回令 3

許された四郎は銀安殿から連れられて出て行きました。
太后は許しはしたけれども、今だに怒っています。
公主は太后が子供を返してくれないので、気が気ではありません。
 
大国舅  「あなたたち母娘の仲なんだから、やーんわりと話をもっていって、
       詫びればすむことだよ」
公主    「そんなんで大丈夫かしら」
       「試してみよう、おいでおいで」

公主は太后の左側に跪くと、ご機嫌をうかがいます。太后はフンと右側を向いて
とりあいません。
 
公主    「だめだわ」
大国舅  「公主、慌てない、慌てない。もう一回」
 
公主は今度は右側に跪きました。
公主    「お母様、どうして無視されるの?
        いいわ、私、もう一回お母様にご機嫌ようといいますから」

その様子がおかしかったのか太后はクスリと笑いましたが、それでも取り合おうとしません。
 
公主    「伯父様方、まだ駄目だわ」
大国舅  「うーん、左右から駄目なら真ん中からやったらどう?」
公主    「え~、私もう足が痛いわ」
二国舅  「公主、笑顔で謝ったらいいんじゃないの。
       あなたが笑ってたら太后も笑い出すかも。
       太后が楽しけりゃ、皆も楽しい、それで終わりさ!」  
公主    「じゃあ、やってみるわ」 
 
公主は太后の前に跪き大声を張り上げます。

公主    「お母様、怒らないでください」

大、二国舅も一緒になって言います。

公主    「ご機嫌如何~?」

すると太后が笑い出しました。ようやく太后も許してやろうと子供を公主に預けます。
公主は太后から子供を受け取ると銀安殿から出て行きました。

外には着替え終えた四郎がいました。そして公主に深く礼をします。
そして夫婦揃って銀安殿に行き、太后の前に跪きます。

太后    「楊四郎、そなたはこれから北天門を守りなさい、
        よくよく仕えるのですよ。
        もし、又母親に合いに行ったら
        その時は首は繋がっていないと思いなさい」
四郎    「ありがとうございます」
 
公主    「お聞きになった?
        母后はあなたに北天門を守るようにお命じになったけど、  
        それでもまだお義母さまに会いに行きたい?」 
四郎    「そうしたらどうする?」 
公主    「その時はもっと早く帰ってくればいいのよ」 

そうして四郎は北天門へと兵を引き連れて行きました。  

四郎探母 回令 3_c0090800_11113174.jpg

 
      耿其昌  飾  楊四郎           李維康  飾  鉄鏡公主 



     四郎探母  終幕 





    
by xiao-mei | 2006-10-17 11:44 | 好戯 四郎探母

京劇好きの自言自語


by xiao-mei
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